R8.3.5(木)サンパチ日報代表小泉編@本音

R8.3.5(木)サンパチ日報代表小泉編@本音

私が日々の支援において、最も大切にしていることは、利用者の自己決定を第一に尊重することです。自己決定こそが、精神的自立、社会的自立へとつながり、アドボカシーの基盤だと考えています。

 

私がケアマネジャーを始めて間もない頃の話です。

ひとり暮らしを続けながら、ターミナル(終末)期にあっても自宅での暮らしにこだわり抜いた方がいました。

徐々に体力低下が進む中で、ケアマネジャーとして懸命に関わる日々。

「わざわざ来てくれてありがとう、いつも悪いね」

そんな言葉を励みに、私は必死にケアプランを作り、さまざまなサービスの説明をして選択肢を提示していきました。

そんな中、とあるケアスタッフから、ご本人が私について、

「あの人はとにかく私にサービスを勧めてくるからなあ…たくさんサービスを使わせたいのかな…」

と話していたと聞きました。

急激に変化する身体状況に対して、必死に支援していたつもりでした。

けれど、サービスありきで、その方の内面や本当のニーズに辿り着けていなかった自分に気付かされました。

関わりを続ける中で、その方にとって自宅とは、子育て、両親の介護、仕事、多くの思い出が詰まった特別な場所であることを知りました。

しかし、身体的苦痛を感じる度に、入院を迷われている様子もありました。

その後も、ケアチームにて支援を続け、最終的には、


「こんなにみんなが来てくれるなら、やっぱり最後まで家に居たいなあ。最後まで頼むよ。」

といった言葉が聞かれました。

その言葉どおり、最期まで自宅でひとりで旅立たれました。

この経験を通じて、ケアマネジメントの役割は単に生活を埋めることではないと感じるようになりました。

どれだけ手厚いプランを作っても、ご本人の心が置き去りになっていては、本当の意味での支援とは言えないのかもしれません。

現在は、目に見えるサービスの形だけでなく、その裏側にあるご本人の不安や願いに触れるプロセスを大切にしたいと考えています。

そうした対話の積み重ねこそが、最期までその人らしく生きるための力につながると感じています。今後も意識して支援にあたっていきたいと思います。

今日も一日おつかれさまでした。

R8.3.2(月)サンパチ日報代表小泉編@2月の振り返り

R8.3.2(月)サンパチ日報代表小泉編@2月の振り返り


早いもので、怒涛のような2月が終わりました。

いつもより2、3日少ない暦の重みを、ひしひしと感じながら、常に時間に追われる感覚がありました。久しぶりにてっぺんを越しそうな平日や、一歩も外に出ずこもり切りでPCに向かった休日もありました。

様々なタスクに末日まで追われ残業する中で、ひとりケアマネジャー時代をふと思い出しました。どこか懐かしさを覚えるとともに、これこそがケアマネジャーの日常なのだと改めて感じました。

社内や地域のケアマネジャーたちが日々向き合っている、ひたむきな実践の重みを身をもって感じる機会となりました。


2月に業務効率化の講師を偉そうに務めた身でありながら(笑)、なぜここまで余裕がなかったのか。今後のためにも、2月の自分の業務をざっくりと振り返ってみました。

ケアマネ業務効率化とAI・ICTに関するセミナーの資料作成。
成年後見の家裁への定期報告が2件と、関連団体への年間報告の作成。
ケアマネ新規1件を含む2件のサービス担当者会議の準備。
スクールソーシャルワーカーのケース会議
5件の研修と2件の懇親会。
社員の労務手続きもろもろ。

文字にすると大したことはなかったです。
もっと効率よく仕事ができるよう努力します(笑)

 

そうしたスケジュールのなかで登壇した今回のセミナーで、参加者の方からある質問をいただきました。

 

「Ict活用したいですが、事業所みんなの足並みが揃いません。どう提案していけば良いでしょうか?」


この言葉の裏側に、現場で変化を起こそうと奮闘する方の切実な思いを感じます。

当日の宣言通り、時間内で質問にお答えすることができませんでしたので、この場で私なりにお答えしますと、まずは事業所のみんなが便利だと実感できる、小さなことから始めることかなと思います。

いきなりAIケアプラン作成や法人内のデジタル化から入るのではなく、簡単で、みんながしっかりと効果を実感できるものから取り入れていくのが良いと考えています。

例えば、今回ご紹介したGoogleフォームなどは事業所内外においてさまざまな業務に応用でき、簡単で効果も高いためおすすめです。


↑今回のセミナーのインフォグラフィック


新しい仕組みを取り入れようとする時、そこには必ず人それぞれのペースや戸惑いが生じるものです。

私も、社内で色々と取り入れていますが、決して無理強いしないことを意識しています。効率的かつ効果的に仕事ができる環境を整え、ツールの選択肢を増やしていますが、どこからどこまで活用するかどうかは個々の裁量に任せています。ケアマネジャーがやみくもにAIを重用し過ぎることのリスクも理解しています。

効率化の押し売りと無理強いは、業務の非効率化、生産性の低下になると考えています。

ただし、日々の記録や書類作成に追われていると、どうしても本来の対人援助に向き合う時間が削られてしまうことがあります。

だからこそ、少しでも事務業務の負担を減らし、人と人とが向き合う時間を生み出すための小さな工夫の積み重ねが必要なのだと感じます。

今後も一歩一歩、ケアマネジャーの価値を高める実践を目指していきます。

今日も一日おつかれさまでした。

R8.2.14(土)サンパチ日報代表小泉編@いつかのチョコレート

R8.2.14(土)サンパチ日報代表小泉編@いつかのチョコレート

2月になると、毎年決まって思い出す方がいらっしゃいます。

その方は、私の訪問をずっと待っていたと、ケアスタッフの方から伺いました。

決して金銭的余裕はないであろう暮らしの中で、チョコレートを用意してくださっていたのです。


「こんなものしかあげられなくて、ごめんなさいね」

 


対人援助の専門職として、利用者から物をいただくことは極力控えるのが本来のあり方だと考えています。

けれど、この時ばかりは、どうしてもお断りすることができませんでした。

差し出された細い手、刻まれたいくつもの皺、準備してくださった時間に込められた想いを、無下にはできませんでした。

その後、さまざまなご事情が重なり、天国への旅立たれる際、ご本人が頼りにしたかったご親族に、ご本人が会えることは最後までありませんでした。

私はケアマネジャーとして初めて、火葬の場でその方の旅立ちを静かに見送りました。

あの日いただいたチョコレートへの、心ばかりのお返しをそっと添えて。

 

生まれてから多くの苦労を重ね、いくつもの波風を乗り越えてこられた人生だったと伺っています。

それでも、最後まで自分自身の生き方を貫き通した、凛としたお姿が目に焼き付いています。

 

書類に追われ、効率的に仕事をせざるを得ない日々の中で、私たちはつい、目の前の方の人生の重みを見失いそうになることがあります。

けれど、こうした「記録に残らない交流」の中にこそ、支援の本来の尊さがあるのだと感じています。

その積み重ねこそが、一人の人間の人生を見届けるという、この仕事の真ん中にある大切な役割なのだと考えています。

書類や記録では測れないこの価値を、何よりも大切にしていきたいと考えています。

 

今日も一日おつかれさまでした。