とても悲しい出来事が起きました。
自分には、平和で豊かに見えている世の中の、ほんの表面の部分だけしか見えていないのかと、考えさせられます。
自ら命を落とした人が、すべて正義とは限りませんが、このお2人が天国で仲良く幸せに暮らせますように。
<愛知・父子死亡1カ月>
「父ちゃん死ぬなら僕も」メモ残す
◇室内に複数メモ
長男「大学に行って医者になる」と夢語る
愛知県一宮市のアパート一室で昨年12月14日、この部屋に住む父親(48)と小学5年の長男(10)の遺体が見つかった事件で、「父ちゃんが死ぬなら、僕も一緒に死ぬ」と記したメモが残っていたことが、関係者への取材で分かった。
父子は2人暮らしで、長男の親権を失った父親が将来を憂える内容のものもあった。市や県一宮児童相談センター(児童相談所)は2人を見守っていたが「父子の関係は良好」と判断し異変を察知できなかった。
市と児相は一連の対応について報告書をまとめ、県は問題や課題を検証する方針。
県警一宮署によると、父子は居間に並んで倒れており、父親は自殺と判断された。
長男の死因は不明で病理解剖をして検査している。
関係者によると、メモは複数あり、パソコンなどで印字されたものだった。
父子がこのアパートで暮らし始めたのは2013年10月。
児相は翌年11月、体調が悪くて働けず生活保護を受けていた父親から「養育が難しい」と相談され、長男を保護した。
昨年9月までに長男を計8回保護したが、うち6回は勉強への取り組みなどを巡る父子の口げんかが理由。
長男は自ら児相を訪れることも多く、保護時はいずれも父子の同意を得ていた。
児相の担当者は長男について「とても頭が良く『今は父親とクールダウンの時だ』ぐらいの感覚で連絡をくれていた」と話す。
長男は一定期間が過ぎると帰宅を望むことも多く、担当者が理由を尋ねると「勉強を教えてくれる父ちゃんが好きだ」とはにかんだという。
関係者によると、長男は「大学に行って医者になる」と将来の目標を掲げており、児相は「自分で方向を選べる子」とみていた。
保護回数の増加を受けて児相は、長男を児童福祉法に基づく「要保護児童」とすることを市に提案し、15年10月から月1回開かれる児相と市の定例会議で父子の状況を確認していた。
それでも市教育委員会の説明では、長男の学校生活に問題はなく、昨年11月の会議でも「特別な対応は必要ない」としていた。
しかし、関係者によると、昨夏ごろから長男の親権を巡る争いが起こり、父親の環境は変化していた。
長男が通う小学校の校長は遺体発見の5日前、父親から「息子といられなくなる」と転校の相談を受けた。校長は「父親は理路整然と冷静に話し、変化に気付かなかった」と話す。
市子育て支援課の担当者は「父親への対応が会議で主題になることはなかった」と説明する。
児相の担当者は「最後の保護の際、強制保護を検討すべきだったのかもしれない。でも、父子が死を選択することは考えられなかった」と話した。
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